数ヶ月先まで満室状態の「Re PAPER ROOM」とは
無印良品を展開する株式会社良品計画は、2019年4月に開業した日本初となる無印良品のホテル「MUJI HOTEL GINZA」の一室に、”再生紙”を活用し、アップサイクル品を取り入れて素材の循環・再生を体現したコンセプトルーム「Re PAPER ROOM」を11月4日（月）よりオープン。日常の暮らしに欠かせない、リサイクル性の高い”紙”を活用し、アップサイクルしたインテリアとアートを掛け合わせたMUJI HOTEL GINZA特別な一室「Re PAPER ROOM」をレポート！
Re PAPER ROOM
日本人の生活は、紙と共にありました。日本家屋の空間を仕切るふすまや、自然光を取り入れる障子。絵や文字を書いたり、物を包んだりするだけではなく、様々な場面で紙は使われてきました。Re PAPER ROOMは日本人にとって暮らしと切り離せない「紙」の可能性を探り、泊まれるエキシビジョンルームとなっている。
客室
客室内に入ると、永く愛される無印良品のノートの端材100％で作られた壁面ボードをメインに、同じくボードを使用したオリジナルミニテーブルや、段ボールで作られたベンチなどがお出迎えしてくれる。無印良品好きには堪らない客室内に。また、段ボールを使用したアート作品も展示。素材をそのまま活かした内装は、見て楽しめるだけでなく、どこかやわらかく温かみのある空間として体感できる。
「紙」と銀座地域の素材が織りなす特別な空間
「紙」の空間を彩るのは、銀座の街から生まれた端材を使用したアップサイクルインテリア。新たに生まれ変わったインテリアは、素材ひとつひとつにストーリーがある。銀座の各事業所と一緒に、活用しきれなかった端材を使用したオリジナルアップサイクルをご紹介したい。
着物端材でつくった「ラグ」(銀座ひときわ圓蔵、伊勢由)
老舗着物屋さんから着物を仕立てる際に出る端材を重ね合わせ作製した「ラグ」2種類。仕立て生地が重なり合うことで魅せる色合いや表情が足元から空間を彩っていた。
東銀座駅・歌舞伎座から徒歩3分にある着物・和装小物を取り扱う着物屋。
「和する文化を世界中へ」をコンセプトに、守り続けられてきた伝統工芸と現代的なセンスを融合し、お客様が一目置かれる”ひときわ” 美しい存在になれるスタイリングのご提案を心掛ける。
呉服・和小物専門店、明治11年に創業、昭和8年に銀座・金春通りへ移転。金春通りは能楽の金春流に由来し、和文化が今も色濃く残り、伊勢由は「江戸の粋」を大切に時代に合わせたオリジナル商品を提供している。
ジュエリーショップのアクリル什器でつくった「ライト」(CAFERING)
ジュエリーを陳列する際に使用されていたアクリル什器を活用した、置物としても美しいライト。什器としての役目を果たしたアクリルは、その透明度を活かしつつ、表面加工を施し、柔らかな光を受け止め反射する息を呑む仕掛けとなっていた。
2001年創業、2006年から本店を銀座に構える、プラチナジュエリーブランド。
カフェでお茶を愉しむように、日常で心地よくジュエリーを楽しむ “CAFERING Style”をコンセプトに、様々なスタイルのジュエリーを『CAFERING』『CAFERINGK』『fika』3つのブランドを通して展開。
オリジナルアメニティ (銀座食糧株式会社)
最後に銀座にあるお米屋さんで使用され、様々な理由で再利用が叶わなくなった米袋を活用し手軽で丈夫なショッピングバッグに変身。30kgのお米を支えていた米袋だからこその丈夫な素材と、かわいらしいデザインを活かしたバッグ。なんと、ご宿泊者限定アメニティとしてお持ち帰りも◎
銀座にある老舗飲食店や、小学校で取り扱われるお米を提供。寿司店やとんかつ専門店、焼き肉店など各飲食店のニーズに合わせ、銘柄だけではなく、特徴に合わせたお米のブレンドも行う。生産者との結びつきを大事に、美味しいお米を通じて銀座の食を支える。
良品計画では、循環型社会を目指し、商品はもちろん、空間を作り出す建材や家具にもリサイクル可能な素材を活用できないか可能性を模索している。今回は”紙”のリサイクル性、耐久性、軽さに着目し、永く使える建材や家具としての可能性を見出し、ノートの端材を100％使用して作成した壁面ボードや、強化ダンボールのみを使用して作られたベンチなどを部屋に取り入れていた。また、今回の特別ルームでは銀座の街から生まれた端材を活用し、オリジナルアップサイクルを実施。宿泊者限定のアメニティとして、銀座米卸問屋の捨てられるはずだった米袋でつくったオリジナルバッグや、インテリアには、銀座老舗呉服店の着物の端材でつくったラグや、ジュエリーショップのアクリル什器で作ったライトが室内に彩りを添えている。「地域とともにあり続けるホテル」として良品計画、銀座の街の双方からアップサイクルの可能性を感じた。
| 住所 | 東京都中央区銀座3丁目3番5号 「MUJI HOTEL GINZA内」 |
| 定員 | 1～2名 |
| 料金 | 下記公式サイトを参照下さい。 |
| 客室面積 | 24m2 |
| ベッドタイプ | ダブル |
| チェックイン | 15:00 |
| チェックアウト | 11:00 |
参考資料：良品計画
