東京・銀座の東側に位置する東銀座駅。東京メトロ日比谷線と都営浅草線が交差するこの駅は、東銀座のランドマークである歌舞伎座に直結し観劇の際は、利用するファンも多いだろう。そんな東銀座駅構内の看板が「東銀座駅」から「歌舞伎座駅」に変更になった!と、話題になっているので早速確認してきた。
東銀座駅の歴史
東銀座駅は、都営浅草線が1963年2月28日、日比谷線が1964年8月29日に開業。1964年の東京オリンピックを控えた銀座の交通網拡大の一環として開設された。歌舞伎座の地下に直結する3番出口は、観劇客にとって重要なアクセスポイントだ。ホームには、歌舞伎の定式幕(黒・柿・萌黄)を模したカラーパネルが設置され、駅に足を踏み入れるだけで歌舞伎の雰囲気が漂っているのが特徴。

東銀座駅と歌舞伎座は、地理的・文化的に切り離せない関係にある。1960年代の駅開業は、戦後復興期の銀座再開発と連動し、歌舞伎座の再建とも時期が重なる。2013年の歌舞伎座リニューアルでは、駅との連携がさらに強化され、多言語対応の案内板や直結出口で観光客の利便性が向上。銀座と伝統芸能を繋ぎ、国際的な認知度も高めている。
歌舞伎座130年超の伝統
歌舞伎座は、1889年に初代劇場が開業。明治時代の演劇改革を背景に、ジャーナリスト・福地桜痴らが伝統的な歌舞伎を現代的な劇場で上演する場として設立した。火災や戦災で焼失を繰り返し、現在の5代目歌舞伎座は2013年にリニューアル。

伝統的な外観を残しつつ耐震性やバリアフリーを強化。背後には「歌舞伎座タワー」が併設され、年間ほぼ毎日公演が行われる歌舞伎座は、世界でも稀な専用劇場となっている。舞台の定式幕や役者の化粧、豪華な衣装が観客を魅了し初心者向けの「幕見席」や英語ガイド付き公演も用意され国内外から多くの観光客が訪れている。
「歌舞伎座駅」誕生へ!?

さて…SNSで話題を集めている「歌舞伎座駅」の看板だが、実際に存在していた!ただし、これは正式な駅名変更ではなく、歌舞伎座の存在を強調するユーモアたっぷりな広告看板だったのだ。「歌舞伎座・かぶきざ」のインパクトは強く訪れる人に強烈な印象を与え、単なる案内表示ではなく歌舞伎文化を気軽に感じられる仕掛けとなっていた。東銀座駅を利用する際は、駅構内で「かぶきざ」看板を撮影したのち、映画・国宝で話題の歌舞伎を観劇するプランがおすすめだ。
場所:東京都中央区銀座4-12-15 (日比谷線・東銀座駅構内)
乗降人員(一日平均): 82,069人

執筆:ginzaboy
Photo:ギンザプロデュース24
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