情報提供:早稲田大学社会科学部空間映像研究ゼミナール
【銀座の今を伝えたい】 都市を見つめ、記録し、届ける。
早稲田大学空間映像研究ゼミナールは、今和次郎の考現学の同じ視点で、現代の銀座を調査・展示する。同時に街の姿と人々の営みを“今”として残すための挑戦としてクラウドファンディングも実施する。以下詳細。
「いま・わ・ぎんざ」展

100年前、銀座を歩き、人々の暮らしを観察し続けた学者・今和次郎。今和次郎が提唱・実践した「考現学」から着想を得て、私たちは再び、現代の銀座を見つめ直します。
2025年9月、私たち早稲田大学社会科学部空間映像研究ゼミナールは、東京・銀座にて「考現学」の視点から現代の街と人々の様子を記録・分析したプロジェクトの展示会を開催します。本企画は、1925年に今和次郎らが実施した「東京銀座街風俗記録」からちょうど100年の節目を迎えることを記念し、100年前の銀座と現代の銀座を比較するかたちで、街の変遷や人々の営みに光を当てるものです。人々の目線から路地裏に貼られているステッカー、歩行者天国の人の流れや手にしたショッピングバッグまで、日常のなかにひそむ「都市の表情」を丁寧にすくい取り、「今」を記録し、伝えていきます。都市のあり方を再考する機会であると同時に、銀座で暮らし、働き、訪れるすべての人々と街とのつながりを再発見する場でもあります。
展示内容について
本展示では、私たちが2024年度から継続して調査してきた「現代の銀座」の姿を、多角的かつ考現学的な視点から記録・可視化しています。写真・映像・データ・地図など多様な手法を用いて、人々の暮らしや街の痕跡に焦点を当て、100年後にも残る「今」を描き出します。
1|ショッピングバッグの記録
銀座1丁目から8丁目を実際に歩き、すれ違う人々の手にあるショッピングバッグを一つひとつ記録しました。ブランドの傾向や、インバウンド(訪日観光客)と日本人の持ち物の違いなどから、銀座ならではの“買い物文化”の断片を抽出し、実物展示・グラフ・分析を通して考現学的に読み解きます。
2|服装の記録
通行人の服装を、曜日や時間帯、場所ごとに観察・分類。色や形、アイテム構成から、街に流れる季節感や文化の空気を、マネキン展示や図解で立体的に再現します。
3|歩行者の振る舞い
人は銀座のどこを歩き、何を見つめているのか。歩行者の歩く位置や視線の向きに注目し、動画を用いて記録・分析を行いました。今和次郎が残した銀座の歩行者観察と比較しながら、100年を経た「歩き方」の変化や共通点にも迫ります。
4|ステッカー・レシート・吸い殻・カラーコーンの調査
路上に現われては消える“モノ”は、現在の都市の姿のディテールです。道路付属物や建物に貼られたステッカー、路上に落ちている捨てられたレシート、喫煙所ではないところに集積しているタバコの吸い殻、そして銀座の路上を彩るカラーコーンを追いかけ、地図上に記述しました。
5|銀座にまつわるエッセイ
ゼミ生それぞれが、銀座での調査や体験をもとに綴ったエッセイも収録。都市と人との関係を内面から問い直す、個人的でありながら普遍的な視点をお楽しみいただけます。都市を見つめ、記録し、共有する。それが、100年前の考現学に応答しながら、今を生きる私たちが“銀座の今”に挑むかたちです。
会期:9月3日から9月7日
会場:Gallery WABI
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目11-5
時間:10:00~19:00 (最終日は16:30まで)
入場料:無料
主催:早稲田大学社会科学部空間映像研究ゼミナール
