交差点で、立ち止まる人と立ち止まらない人
銀座四丁目交差点。
信号が変わるたび、人の流れが幾筋にも分かれていく。
写真を撮る人もいる。
足を止めて、しばらく周囲を見渡す人もいる。
そして何事もなかったかのように、黙って歩き続ける人もいる。
銀座の交差点には、いくつかの「立ち方」が同時に存在している。
観光客のように見える人。
待ち合わせの時間を調整している人。
あるいは、ただ信号が変わるのを眺めているだけの人。
一方で、ほとんど視線を上げることなく交差点を渡りきる人もいる。
その足取りには、慣れがある。
この場所を「特別な風景」としてではなく、日常の通路として扱う身体の使い方だ。
銀座は、立ち止まることを禁じる街ではない。
ただ、立ち止まる理由がはっきりしている街である。
買うものがある。
会う人がいる。
向かう店が決まっている。
理由を持つ人は、立ち止まらない。
理由を探している人は、少し足を止める。
その差は、ほんの数秒。
だが、交差点でははっきりと見えてくる。
昔から、銀座は「歩き方を見られる街」だと言われてきた。
姿勢、靴、間合い。
そして、立ち止まるときでさえ、周囲の流れを乱さない距離感。
銀座で立ち止まる人は、止まり方を知っている。
そして、立ち止まらない人もまた、歩き方を知っている。
信号が変わる。
人の流れは、再び前へ動き出す。
立ち止まる人も、立ち止まらない人も、
そのどちらもが銀座である。

執筆:ginzaboy
Photo:ギンザプロデュース24
COMPANY




