1980年代▶︎銀座通り

目の前に広がるのは1980年代の銀座絵葉書。手元の絵葉書から放つ緑がかったノスタルジックな光は、まるでタイムマシンに乗ったかのようだ。ネオンが瞬き、三菱のロゴが輝き、「CROWN TAPE RECORDS」や「VICTOR」の看板が夜空を彩る。バブル経済の胎動を感じさせるこの街並みは、かつての繁栄と活気を今に伝えていた。
まず目を引くのは中央にそびえる円筒形のビルと、その頂点に輝く三菱の三ツ葉マークだ。1980年代の銀座は、日本経済が急成長を遂げた時期であり、企業ビルが競うように建ち並んだ。ネオンサインは単なる広告を超え、街そのもののアイデンティティを形作っていた。「CROWN TAPE RECORDS」の看板は、カセットテープ全盛期の音楽文化を象徴し、若者たちが集う活気を物語る。一方、「VICTOR」のロゴは、老舗レコード会社の威厳を感じさせ銀座の多面性を表している。
終わりに
2025年の今、銀座は再び変貌を遂げている。高級感は保ちつつも、若者向けのファッションやカフェが街に新しい風を吹き込んでいる。だが、1980年代のネオンの輝きは、どこか懐かしく現代のLEDに取って代わられた街並みに色を添える。銀座絵葉書は、過去と現在を未来につなぐ大切な架け橋となっている。

執筆:ginzaboy
Photo:ギンザプロデュース24
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