袋に忍ばされる「もうひとつの主役」

銀座の大通りから一本入ったビル。そのエレベーターに乗り、4階で扉が開く。そこに現れるのが「天龍」だ。地上の喧騒から少し距離を置いたこのフロアで、今日も黙々と餃子が焼かれている。

天龍の餃子は、店で食べてももちろん旨い。だが、知る人ぞ知る楽しみ方がある。
それが持ち帰り専用「オリジナルのタレ」の存在である。

瓶ではない。気取った容器でもない。小さな透明の袋に入ったタレは、一見すると控えめ。だが、この袋こそが天龍通をうならせる。店内では出されない、持ち帰り専用。わざわざ家で食べることを選ぶ人がいるのも、このタレを知ってしまったからだ。
袋を開けると、ふわりと立ち上る香り。酸味が先に来て、すぐに丸みのある旨味が追いかけてくる。醤油の角は立たず、辛さは余韻として残る程度。焼き目の香ばしい餃子に合わせると、皮・餡・タレが一体となり、輪郭のはっきりした味へと変わる。

面白いのは、このタレが「かけすぎ」を許さないことだ。少量で十分に仕事をするのである。

常連の中には、このタレを味わうために、あえて店内ではなく持ち帰りを選ぶ人もいるという。熱々をその場で食べる満足感より、袋を開ける瞬間の期待感を取る。そんな贅沢な遠回りが許されるのも、天龍の餃子だからだ。
銀座天龍
住所:東京都中央区銀座2-5-19 PUZZLE GINZA 4F
営業時間:平日11:00〜21:30(LO 21:00)、土日祝11:30〜21:30(LO 21:00)
定休日:年末年始を除き基本的に営業
アクセス:東京メトロ 銀座一丁目駅 徒歩1分

執筆:ginzaboy
Photo:ギンザプロデュース24
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