――時代が変わっても、変わらない一杯がある
銀座には、流行の先端と同時に、驚くほど静かな時間が流れている場所がある。
中華そば 萬福は、そんな銀座の「時間そのもの」を味わえる店だ。

創業は昭和。
派手な看板も、行列を煽る仕掛けもない。
だが、扉を開けた瞬間にわかる。

ここは「急ぐための店」ではなく、「立ち止まるための店」だということを。
萬福の中華そばは、今風の濃厚さやインパクトとは無縁だ。
澄んだスープ、素直な醤油の香り、過不足のない麺。
一口すすれば、銀座がまだ日常の街だった頃の空気が、静かに立ち上がる。

常連も、初めての客も、肩書きを脱いで同じ一杯に向き合う。
それが何十年も続いてきたという事実こそが、この店の一番の味なのかもしれない。
銀座で「新しい店」を語ることは簡単だ。
でも、「変わらなかった店」を語れることは、実はとても贅沢。

萬福は、今日も特別なことはしない。
ただ、昨日と同じ一杯を、今日もきちんと出している。
その積み重ねが、銀座の歴史になっている。
萬福
住所:東京都中央区銀座2-13-13
営業時間:11:00~15:30、17:00〜23:00
アクセス:日比谷線、浅草線「東銀座駅」から徒歩約3分

執筆:ginzaboy
Photo:ギンザプロデュース24
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