年の瀬の運試し!ガラガラ抽選体験レポート

12月25日。
銀座ナイン2号館1階、中央広場には、年末らしい人の溜まりができていた。
目当てはクリスマスバザールの抽選会。手元には、銀座ナインでの買い物でもらった抽選券が7枚ある。会場は、抽選を待つ列で想像以上にぎわっていた。


抽選方法は、デジタルでも整理券でもない。
あの取っ手を回す、昭和から続くガラガラ方式である。

列に並びながら、掲示された景品一覧に目をやる。

10万円分のお買物ご飲食券。3万円、1万円、3千円。
現実的な数字が、妙に夢を持たせてくる。
もし特賞が当たったら、施設内にある「かに道楽」。これは、ほぼ確定事項だった。
前の人が係の人に抽選券を渡し、くるりと回す。
あの軽い音は、なぜか期待を煽る。

いよいよ順番が来て、ガラガラを回す。
一回、二回。
出てくるのは、赤玉。(チッ)

係の人の動作は手慣れていて、
「はい、こちらですね」と、静かにポケットティッシュを差し出す。
銀座ナインオリジナル。主張は控えめだが、存在感はある。
3回目、4回目。
同じ音、同じ赤玉。(・・・チッ)
ガラガラの中には、他の色玉が入っているはずなのに、まるで存在しないかのようだ。

気づけば、周囲には当選する人もちらほら現れ始めていた。
小さく歓声が上がり、拍手が起きる。
その横で、こちらは淡々とガラガラを回す作業に集中する。だがこちらには、微動だにしない赤い流れがある。

5回目を過ぎた頃から、もはや期待はなくなっていた。
回すたびに、「どうぞ」と言われ、「はい、赤ですね」と返される。
会話が定型文になると、人は感情を置いていく。
残りはあと2回。
ここまで来たら、1回くらい当たってほしい、という気持ちよりも、
「7回すべて外れたら、それはそれで完成度が高い」という、よく分からない期待に変わっていた。」
そして、6回目。
ガラガラを回し、玉が出る。
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赤。
係の人と、思わず目が合う。
どちらともなく、軽く会釈をして気づけば7回全て、同じことを繰り返していた。
回す。
赤。
ティッシュ。

すべて終わって、手元に残ったのは、
銀座ナインオリジナルティッシュが7個。

そして、かに道楽の看板を見ないまま、銀座を歩くという現実。
年の瀬の運試しは、当たり外れよりも、
「どう終わるか」が大事なのかもしれない。かに道楽は、また来年。
住所:東京都中央区銀座8丁目
アクセス:東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」より徒歩約7分
営業時間 : 店舗により異なる(目安:11:00〜21:00前後)

執筆:ginzaboy
Photo:ギンザプロデュース24
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