テレビをつけても、ラジオをかけても見かけない日はない、食いしん坊ことdancyu 編集長 ・植野広生さん。今回は特別(強引に…)お話を伺うことができた。植野さんといえば学生の頃、銀座にあった高級キャバレー「モンテカルロ」で黒服をしていたことでも知られている。
いきなりの余談だが、銀座のキャバレーと言えば、福富太郎氏を忘れてはいけない。福富氏は浮世絵コレクターでも認知されているが、彼の才能は夜の世界で開花する。15歳で高校を中退し「モンテカルロ」のボーイとなりキャバレーの世界へ。昭和39年に銀座8丁目の観光会館(現在の博品館)の5階建てを丸ごと使った銀座店をオープンさせ、1000坪の巨大キャバレーで、ホステスは800人以上も在籍していたというから驚きだ。
・
・
・
(モンテカルロォォォーーーー!!)
モンテカルロで黒服をしていた福富氏と植野さん、もしかするとまだまだ共通点があるかもしれない….。
どちらにしても、お二人とも銀座を知り尽くした男の中の男であることは間違いないのだ。
今回は、今更聞けない10の質問を植野さんにぶつけてみました。「キャバレー王…」ちがう。「食いしんぼ王」植野さんの意外な一面を垣間見ることができた。
本日はよろしくお願いします!
植野さんに聞きたい10の質問をご用意しました。
スリーサイズ以外だったらなんでもお答えいたします。
それが一番聞きたかったのに(笑)
いつもお洒落な植野さん、こだわりのファッションポイントは?
人前に出ることも多く、いつもオサレなスタイルを貫いている印象。ファッションで気を付けていることはあるのだろうか?
いきなりですが、普段のファッションポイントを教えて下さい!!
えっ。
ちょっと待って!!
待ちません (笑)
これは何の罠だ(笑)
罠じゃないです!(いや…罠かも)
改めてファッションポイントを教えて下さい。
あまり気にしては無いけど、日によって格好は全然違うので、その日に行くお店で変えています。ご飯を食べに行く時は、それも含めて食事と思っているんです。
食事を楽しむ領域が広い…
僕にとって「食事」とは自宅でネクタイを選ぶときから始まっていて、銀座のレストランに行く時は必ず有楽町か新橋で靴を磨いてから行きます。
「食」を楽しむなら身だしなみを整えてから愉しむ。勉強になります。
銀座にあるお店のご主人がこんな事を言っていました。
「お客様がいらっしゃった際、階段を上がる靴を見ればどんな方かすぐに分かります」と。その時は、ドキッとしましたが(笑)
僕も足元には気をつけます(汗)
ファッションポイントは、手入れをした「靴」です。
メガネは植野さんのマストアイテムだ!!
植野さんが眼鏡を外したところを見たことがない。もしやキャラ作りの為の眼鏡かもしれない…。
お気に入りメガネのブランドはありますか?
僕、目と性格が悪いので・・・
そんな事ないです(笑)
FACTORY900(ファクトリーキュウヒャク)、EYEVAN(アイヴァン)が多いですね。
近眼で乱視で老眼なので、今日つけてるのは普段用ですが、運転用、パソコン用、テレビ出る用…
オシャレですね!
それにしてもすごい種類。
テレビ用もあるとは。
カンペが見えないんです。
何本くらい使い分けていらっしゃるんですか?
7本ぐらいです。
7本!!
そんなにあると間違いちゃいそう・・・。
最近は既に眼鏡をかけてるのにもう一個メガネをかけてしまったり、つけてないのにメガネを外したり…
横山やすしさんのネタじゃないですか(笑)メガネ、メガネ…
コンタクトは使われてますか?
昔運動してた時はコンタクトつけてたけどあまり好きじゃなくて。
植野さんの運動していた時の話も気になりますが、次回のお楽しみとして次の質問に行きます。
銀座のキャバレーでアルバイト⁉︎
学生の頃銀座でアルバイトをしていた植野さん。銀座と言えばなんだろうか….。
植野さんにとって銀座と言えばなんでしょうか。
場所ですか?
なんでも構いません^ ^
僕にとっての銀座は、「喫茶みやざわ」さんの前の通り。特に夕暮れ時が僕にとっての『銀座』なんです。
アルバイトしていた時は毎日通っていたこともあるし、今でもここを通ると「銀座ってこういう街だよな〜」って。
みやざわさんのような昔からの喫茶店や、お寿司屋さん、クラブもあったり、ここの空気感が「銀座」ですね。
学生の頃銀座でアルバイトされていた植野さん。なかなか通なところをチョイスされますね。
次回みやざわさんに行く際に通りをじっくり観察してみます!
やっぱり銀座に常連のクラブがある⁉︎
銀座の行きつけのクラブはあるのだろうか。こっそり教えてほしいなぁ…そこはクラブとはいえ、きっと美味しいものがあるに違いないのだから。
行きつけのクラブ…
ないです。
よく連れて行かれた所とか…?
昔、連れて行ってもらったことは沢山ありましたが、それ以来あまり行こうと思わないですね。行く機会もないですけど。
でも、クラブのホステスさんは本当すごいなと思います。
すごいとはどういう事ですか?
どんなホステスさんでも、新聞を読んで勉強していて色んなジャンルの会話ができるのは本当に素晴らしいと思うし、楽しいですよね。
もしかしたら政治家より政治家に向いているかもしれません。
クラブから少し話がずれますが、最近プライベートで行く店はほんの数軒です。
(数軒のお店が気になる)
以前まではよく行ってたんですけど、対価として異様に高くなってから行かなくなりました。
確かに料理と金額がマッチしていないお店が増えた気がします。
3万円でも5万円でも、どんなに高いお店でもいいんです。ただし「対価」として納得できれば。
千円でも一万円でも対価として高いものは高いし、3万円で安いお店もあると思います。
その中でも植野さんの行く数件のお店はどこですか?
「鮨 太一」です。
・東京都中央区銀座6-4-13 浅黄ビル2F ・Phone: 03-3573-7222 ・9席禁煙 ・11:30〜14:00(土祝〜15:00)、17:30〜22:30(土祝17:00〜21:30) ・日、第2・3月休
泰明小学校の路地を入った二階にあります。お値打ちの価格でどれを食べても美味しくて…
一見さんお断りとかではなく、どなたでも行けますか?
はい。
昔はお客さん睨みつけるような主人だったけど最近丸くなちゃっていい感じです(笑)
夜遅くに「今から入れる?」ってフラっと行くと入れてくれたり、昔ながらの身近なお寿司屋さんみたいな。
そういうのが本当の行きつけのお店なんですね。
好きな色はやっぱりあの色?
人は誰しもお気に入りの「色」がある。植野さんは何色が好きなのか。
植野さん何色がお好きですか?
赤が好きですけど、赤色の洋服は嫌いです。
小物でしょうか?
バックや、ベルトとか。赤は必ずどっかに入れています。
dancyuも赤色が多い気がしてました。
たまに市村正親さんと食事にいくと、「植ちゃんの赤、今日はここーーー!!」って探されます(笑)
お会いしたことはありませんが、お二人の会話が想像できます(笑)
赤が好きな人には、総じてエネルギッシュなタイプが多い印象。 活動的に過ごすため、どちらかというと考えるより前に行動し始めるタイプが多いでしょう。 また正義感の強い人や、情熱的で魅力的な人が多いのも赤を好む人の特徴です。 ただその反面、自分の衝動を抑えられないタイプでもあるようです。
Googleより
合ってますか?
・・・・。
プライベート教えてっ🤍
あまりお休みしているイメージがない植野さん。果たしてお休みは何しているのか・・・。
食いしん坊といえば植野さんですが、趣味はありますか?
ん〜。
趣味ってなんだろう?
スポーツ観戦とか…
趣味…無い。(笑)
バスケ見るのは好きだし、音楽も好きなんですけど、趣味っていう感覚があまりないかなぁ。
「食」もそうだし生活の一部になってるので全て人生に必要なものだと思っています。
趣味と決めつけないで全て人生に必要な要素なんですね。
その方が人生楽しそう…明日から趣味やめます!
無人島に行くなら・・・
物に溢れている日本から抜け出して、無人島にいくとしたら植野さんは何を持って挑むのだろうか。
3個だけ無人島に持っていけるとしたら、何を持って行きますか?
でたっ!無人島 (笑)
教えてくださいっ!
①牛刀
本当はペティーナイフも欲しいところなんだけど、どちらかといえば牛刀です。
必須アイテム!!
2個目はなんですか?
②紙と鉛筆のセット
やはり!
無人島でも書くんですね。
やっぱり何か書きたい。
本当はパソコンが欲しいんだけど電源ないと使えないし。
とりあえず書ける物が欲しい!
最後の一つはなんですか?
もう一つは悩みどころですね…
本当は「お酒」がいいんだけど飲んだら無くなるし、「本」も読み終わるしなぁ。
あ!肝心なメガネだ!!
身につけている物は持っていけるので大丈夫です。
③じゃあ、中華鍋
これさえあれば炒めることができるし、顔も洗える!
植野さんなら、無人島でも美味しい料理作ってそう。「無人島料理本」が流行りますよ!
どちらにせよ、牛刀と紙と鉛筆があれば大丈夫!
あとは現地調達でなんとかできる気がする(笑)
気になる人も多いのでは?
植野さんが愛読している小説が気になる・・・
好きな小説を教えて下さい。
高校生の頃は安部公房とか良く読んでた…不条理小説が好きだったので。
今は乱読だからなぁ…。
植野さんの文章や表現は、心に「グッ」とささることがあります。例えば、参考にしてる本などはありますか?
文章が美しいので、作家の三田完さんは好きでよく読んでいました。
安部公房さん、三田完さん参考にさせていただきます。
ー安部公房ー 東京府で生まれ、満洲で少年期を過ごす。高校時代からリルケとハイデッガーに傾倒していたが、戦後の復興期にさまざまな芸術運動に積極的に参加し、ルポルタージュの方法を身につけるなど作品の幅を広げ、三島由紀夫らとともに第二次戦後派の作家とされた。作品は海外でも高く評価され、世界30数か国で翻訳出版されている。 主要作品は、小説に『壁 - S・カルマ氏の犯罪』 (芥川賞受賞)、『砂の女』 (読売文学賞受賞)、『他人の顔』『燃えつきた地図』『箱男』『密会』など、戯曲に『友達』『榎本武揚』『棒になった男』『幽霊はここにいる』などがある。演劇集団「安部公房スタジオ」を立ちあげて俳優の養成にとりくみ、自身の演出による舞台でも国際的な評価を受けた。
ー三田 完ー 埼玉県浦和市(現・さいたま市)出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。 NHKでテレビディレクター、プロデューサーとして勤務、主に歌謡番組を担当。退職後オフィス・トゥー・ワンでテレビ番組、音楽プロデュースに携わり、ニュースステーションの名物コーナーだった「最後の晩餐」などを担当。また、阿久悠のブレーンとして、その作詞、出版活動に関わっていた。
植野さんの好みのタイプは・・・
植野さんはモテるだろうな…。好みのタイプはいるのだろうか。
誰にも言わないので好きなタイプを教えて下さい。
無いんですよね…これ本当。
僕の場合パッと見た瞬間にこの人好き!ってなります。
その人が放つ雰囲気とかありますよね!
初対面の時にこの人とご飯行くかどうか決めちゃいます。
さっぱりしてて気持ちがいい。
僕にとって「食事」は最も大切にしている時間なんです。
いい人そうに見えるけど、わがままです。(笑)
その芯の強さが魅力を引き出している一つだと思います。
果たして将来の夢はあるのだろうか?
いよいよ最後の質問になる。まだまだ聞き足りないことがたくさんあるけど、最後はやっぱりこれで〆ました。
最後になりますが、植野さんの将来の夢を教えて下さい。
それよ!!
去年60歳になって未だに大きくなったら何になろうと思って真剣に考えています。
人生のテーマなんですね。
物理的に考えて学校の先生とかは無理だけど、色んな可能性があると思っていて。
何か企んでいるんでしょうか?
全然企みじゃないんですけど僕も一応サラリーマンなので、と言ってもかなり好き勝手やらせてもらっている方だと思いますが…
見ていて楽しみながらお仕事されているのが分かります。
それか…落語家に弟子入りですね!
広生師匠が高座に上がる時は最前列で観に行きます(笑)
本日は、本当にありがとうございました。
dancyuは“食いしん坊”のための雑誌です
1990年12 月に創刊したdancyu(ダンチュウ)は食を楽しむための“食いしん坊雑誌”です。コンセプトは【「知る」はおいしい。】。本当にいい店や美味しいレシピを知ることで、日々の暮らしや人生に幸せが加わります。そこで、dancyuは“食いしん坊”がもっと美味しく、もっと楽しくなるように、飲食店情報やレシピ、知識や蘊蓄などを紹介しています。“グルメ”が美食を追求する人であるなら、“食いしん坊”は幅広く食を楽しみたい人。たとえば、美味しいもので笑顔に元気になれる人、300円の立ち食い蕎麦も3万円のフレンチも同じように楽しめる人、その料理の背景にある生産者や料理人などにも思いを馳せる人、もっと上手に料理をつくりたいと思っている人、料理でみんなを笑顔にしたいと思っている人……。dancyuはこうした“食いしん坊”のために、ただ情報を掲載するのではなく、食の背景にあるストーリーやレシピの理由なども含め、いつもの食事や料理がもっと美味しく、もっと楽しくなるための“提案”を行っています。(公式HPより)
植野 広生(うえの・こうせい) dancyu編集長 1962年、栃木県生まれ。法政大学法学部卒業。上京後すぐに、銀座のグランドキャバレー「モンテカルロ」で黒服のアルバイトを始める。その後、鰻屋や珈琲屋、アイスクリーム屋など多数の飲食店でアルバイトを経験。卒業後、新聞記者を経て、出版社で経済誌の編集を担当。その傍ら、大石勝太(おおいし・かつた。「おいしかった」のシャレ)のペンネームで「dancyu」「週刊文春」などで食の記事を手掛ける。2001年、プレジデント社に入社、以来「dancyu」の編集を担当し、2017年4月に編集長に就任。趣味は料理と音楽。食と音楽のイベントを手掛けるほか、ラジオパーソナリティーなど幅広く活動。「情熱大陸」「プロフェッショナル~仕事の流儀~」などテレビやラジオの出演多数。 Instagram / twitter / YouTube dancyu食いしん坊倶楽部
開催日時: 2023年4月22日(土)・23日(日) 10:00~17:00
場所: 東京都新宿区西新宿2‐6‐1 新宿住友ビル 三角広場 GoogleMap
※混雑時は入場制限をさせていただくことがあります。
※会場の設備故障や天災、都からの要請など不可抗力の事由により、やむを得ず中止や時間変更になる場合がございます。予めご了承下さい。
イベント詳細:入場無料・予約不要。販売は電子決済(クレジットカード、交通系電子マネー)のみ。
これから植野さんは将来の夢をどのような形で叶えるのだろうか。夢に向かって全力で走る姿には、ティンカーベルのようなキラキラとした眩しいくらいの幸せの粉が舞っていた。
(ちなみにスリーサイズは、 B85cm W72cm H93cmのようだ)
- 【MUJI HOTEL GINZA】のコンセプトルーム「Re PAPER ROOM」に潜入
- 【銀座駅限定!!】オリジナルスタンプ設置開始「あのトキメキをもう一度」
- 第21回『銀座・ひと繋ぎBar』 ゲスト:株式会社ノースサンド 小久江省隆さん
- 【銀座サッカースタジアム】未来のサッカー観戦が銀座で体験できるので行ってきた
- 【第22回銀茶会】今年のテーマは「嘻笑・きしょう」