銀座四丁目から、映画館の灯が消える
銀座4丁目、和光の裏手。長く映画ファンを迎えてきた「シネスイッチ銀座」が、2026年10月25日の営業をもって閉館する。公式サイトで発表されたのは6月15日。銀座で映画館を営んできた歴史は71年に及ぶ。
シネスイッチ銀座の前身は「銀座文化劇場」。劇場の公式紹介によると、1955年11月21日に開館し、「銀文」の愛称で親しまれた。地下の劇場では松竹映画の封切作品、別館ではハリウッド・クラシックスを上映するなど、銀座の映画文化を支える存在だった。

「スイッチ」という名前に込められた、映画の選び方
1987年、2館のうち1館を改装し「シネスイッチ銀座」が誕生した。館名の由来は、日本映画と外国映画を「スイッチ」しながら上映すること。大手シネコンのように大量の作品を並べるのではなく、世界各国から選び抜いた作品を一つの映画館が丁寧に紹介する。そんなミニシアターらしい編集力が、この名前そのものに表れていた。
1997年にはもう一方の「銀座文化劇場」も改装し、「シネスイッチ銀座1・2」としてリニューアル。2スクリーン体制で、洋画と邦画の双方から独自の作品を届け続けた。

『ニュー・シネマ・パラダイス』40週、1館で27万人
劇場の名を映画史に刻んだ代表作の一つが、1989年公開の『ニュー・シネマ・パラダイス』だ。シネスイッチ銀座で40週間という異例のロングランを記録し、1館だけで約27万人を動員した。その後も『ライフ・イズ・ビューティフル』『リトル・ダンサー』『かもめ食堂』『チョコレート・ドーナツ』など、後に広く知られる作品を上映。映画を「上映する場所」であるだけでなく、この映画を観てほしいと観客に提案する場所でもあった。(次のページへ▶︎)
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